一般社団法人日本ビーチスプリント協会 設立趣意書

現代のスポーツには、健康の維持増進、体力の向上、生活習慣病の予防、ストレスの発散、心身の健康維持、青少年の教育、人々の交流の促進、生きがい、豊かな人生を送るための機会の提供、社会性の向上など多くの役割が求められている。

文部科学省は、平成22年8月にスポーツ立国戦略を策定し、「人(する人、観る人、支える(育てる)人)の重視」、「連携・協働の推進」の基本的考え方のもと、実施すべき5つの重点戦略として、(1)ライフステージに応じたスポーツ機会の創造(2)世界で競い合うトップアスリートの育成・強化(3)スポーツ界の連携・協働による「好循環」の創出(4)スポーツ界における透明性や公平・公正性の向上(5)社会全体でスポーツを支える基盤の整備を掲げている。

スポーツ立国の実現に向け、我が国の一人でも多くの人がスポーツを楽しみ、スポーツを通じた健康増進、いきいきとした生活の実現を目指すためには、これまでのスポーツ種目、スポーツ施設の枠を超えた、多様な主体におけるスポーツの機会の創出が求められる。

そこで、新しいスポーツ種目として、ビーチ(砂浜)におけるスプリント(短距離走)競技会を提唱していきたいと考えている。海岸でのスプリント競技は強度の高い運動ではあるが、転倒時の故障のリスクも少なく、老若男女が気軽に参加でき、公認トラック等の専用施設が必要なく、身近な海岸で開催できるという利点がある。また、陸上競技短距離選手らもビーチトレーニングは冬期に多く実施されていることから、冬季間に実施できる競技として大きな可能性を秘めている。

新スポーツとして公に立ち上げるためには、競技実施に関するすべての規定を成文化することが求められ、統括団体による制定が必要となる。そこで、「ビーチスプリント競技」の普及・振興を進める統括団体として「一般社団法人日本ビーチスプリント協会」を設立し、(1)法的安全性の確保(2)正義の実現(3)面白さの保証、の3つの基本原則の実現を目指し、①競技の特性 ②競技に必要な施設・用具・服装 ③基本技術と用語の解説 ④競技の進め方とルール ⑤規則違反と罰則規定 ⑥競技の運営と審判の6項目について具体的に制定していくこととした。

また、「一般社団法人日本ビーチスプリント協会」はビーチスプリント競技会の普及・推進と同時に、海岸の整備・美化にむけた啓蒙活動を行い、ブルーフラッグ取得海岸での開催を積極的に推し進め、サスティナブルなビーチ・マリーナがあることを国内外に客観的に示すことも重要な目的としている。

                                                  代表理事 高野進